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【新宿下落合のマンション】二酸化炭素噴出で4人の作業員が死亡！
2020年12月22日と2021年1月22日に引き続き、2021年4月20日にもまた新宿下落合のマンション地下駐車場での消火設備の誤作動により死亡事故が発生してしまいました。
※参考→https://sanpo.aist-riss.jp/riscadnews/2021/02/p7341/
当時、東京都新宿区下落合のマンションの地下駐車場で天井の張り替え作業をしている際、何らかの拍子で消火設備が作動し、シャッターが閉じると同時に二酸化炭素が噴出してしまったようです。
事故発生時、20~50代の作業員6人で作業しており、30代の1人は自力で脱出し無事でしたが、取り残された5人のうち20～50代の4人は死亡、20代の1人は意識不明の重体のようです。
消火設備が火災誤認したか？資格者の立ち会いなかった
今回の事故が発生した経緯としては、熱だけでなく煙も検知したことで火災が発生したと誤認したため消火設備が作動し、二酸化炭素を放出したりシャッターを閉めるということになったという警視庁の見方です。
駐車場内には熱や煙を発生させるようなものはありませんでしたが、どうしてこのような事故が発生してしまったのでしょうか。
実は、今回の事故が発生してしまった理由としては、二酸化炭素消火設備を取り扱う消防設備士などの有資格者がいなかったことが大きいようです。
一般的に天井の張り替えの際には、配線を繋げたままで消火設備を外す必要があり天井からつり下がっているむき出しの状態で作業をするため、通常より誤検知しやすい状態になるようです。
そして今回の事故のように消火設備が誤作動したとしても、有資格者が立ち会っていれば誤作動を容易に直すことができますので、死亡事故は防ぐことが出来たかもしれません。
総務省消防庁によれば、このような天井の張り替え作業には有資格者の立ち合うようにとの通知はしていますが、義務ではないようでしたので、
当時天井の張替え作業を請け負った建設会社は、「二酸化炭素消火設備があるので気を付けるように」との注意喚起のみをしていただけだったようです。
有資格者でなくても作業するなら消火設備の誤作動の止め方くらいは知っておきたいですね。
地下駐車場の二酸化炭素噴出事故！何がヤバいの？
空気中の二酸化炭素濃度は非常に低く1%にも満たない濃度です。
そして空気中の二酸化炭素濃度が高くなればなるほど、危険度が増すと言われています。
二酸化炭素濃度による人間への影響
- 3-6％：数分から数十分の呼吸で、過呼吸、頭痛、めまい、悪心、知覚の低下の症状が出る。
- 10％以上：数分で意識を失い、死に至る。
- 30％以上：8～12回の呼吸で意識を失い、死に至る。
消火設備による二酸化炭素噴射時の濃度はどれくらい？
二酸化炭素を使った消火設備から噴射される二酸化炭素濃度は、消炎濃度が22％とされているようなので、22％以上になるまで噴射し続けると考えてもらったらいいと思います。
要するに、数分で意識を失うレベル以上の二酸化炭素濃度レベルだということです。
二酸化炭素噴出事故がヤバい理由
新宿下落合のマンション地下駐車場の消火設備が誤作動した1時間後の空気中の二酸化炭素濃度は約21%に達していたようです。
救助する側も二酸化炭素中毒で意識を失い死亡する危険性が高いため、作業員の救出は難航し、数時間という時間がかかってしまいました。
"二酸化炭素濃度による人間への影響"でも纏めたとおり、濃度3～6％では数分から数十分で過呼吸、頭痛、めまいなどの症状が表れ、10％以上では数分以内に意識を喪失し、放置すれば呼吸停止を経て死に至ります。
地下駐車場などで二酸化炭素消火設備が誤作動してしまった場合、誤作動を止める知識がなかったり逃げ遅れてしまったら、ほぼ100%の確率で死んでしまうと考えておいた方が良さそうです。
身近な設備なのに簡単に死に至らしてしまう二酸化炭素消火設備の誤作動は本当にヤバいです。
まとめ
地下駐車場で二酸化炭素消火設備が誤作動してしまった場合、逃げ遅れたらほぼ確実に死んでしまうリスクがあるということが分かりました。
テレビの中の他人事だと考える人は多いかもしれませんが、実は凄く身近な消化設備であるということはとりあえず知っておいてもらいたいなと思います。
その上で消火設備の誤作動を止める方法を調べたり、逃げる手段を考えたりするなど、どうするかはそれぞれの判断にお任せしたいとおもいます。
最後までお読みいただきありがとうございます。是非参考にしてみて下さいね。
